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心に沁みる一冊 『 人のセックスを笑うな 』
1月25日の記事 「ネタのつもりで読み始めた本にやられちゃいました」 でちょこっと書いた作品

山崎ナオコーラ著 『人のセックスを笑うな』


初めは著者の名前と本のタイトルで笑いありな感じなのかな?と
ちょっとブログに書けるかもというネタとして期待してました
笑うなヽ(`д´)ノ 、 笑うなヽ( ´ー`)ノ 、 笑うな(。´Д⊂)うぅ・・・。 、 笑うな(;´ω`) 、 ・・・どれだろう?と

どんなイメージで書かれたタイトルなのか
それは読むまで分からないもの

本についていたビラに 「芥川賞候補作&文藝賞受賞作」 とあっただけに期待は大きかったけど
そういう本の受賞作品って真面目そうなものがやっぱり選ばれるのかなとか
何が基準として選ばれてるんだろう?
もっといい本だってあるのに・・・
そう思わなくもなかったので
自分で読むまでは良いか悪いかの判断はしないようにしてます


とりあえず本をぱっと見ただけで
そのタイトルに惹かれたことは言うまでもありません
たくさん並んだオススメの本の中に埋もれていた一冊
オレンジ色の表紙にタイトルと著者名のみ
白抜きの文字で大きく 「人のセックスを笑うな」 とそれだけ
印象に強いタイトルなんですよね
何十あるオススメの本に埋もれてても目が行くだけでもすごいことです

そういういきさつで手にしたその本
ぱらぱらっと見てみたら

ぉ、意外と読みやすそう

そうなんです
文字が大きく、セリフ調
気難しい本って私全くダメで、小さい頃から読書を好んでいなかったのは
読書感想文で選んできた 「難しい本 = 本」 というイメージが強すぎたから
いつも夏休みの宿題を仕上げるために
表紙のビラ&目次&結末&後書き読んでました(*'ω'*)

・・・初めは頑張ろうとするんだけど挫折しちゃうんです・・・εミ(ο_ _)ο

そんな私が 「読みやすそう」 と思えるくらいの見易さと分かりやすさと話しの流れの良さ
もし、ちょっとでも興味が出たら私がここに書く感想を読む前に自分で読んでみてくださいね

人に感想聞いてからだと、どうしても先入観っていうものにとらわれて
自分の自由な感情移入ができなくなっちゃいますから

|ω・。)・・・かなり沁みます。



それでは本を読んだ感想など((φ(・ω・*)かきかき♪

『人のセックスを笑うな』 山崎ナオコーラ (河出書房新社)
19歳のオレと39歳のユリ。歳の離れたふたりの危うい恋の行方は?
年上の女性との恋愛をまったく新しい文体で描いたせつなさ100%の恋愛小説。 全選考委員がその才能を絶賛した第41回文藝賞受賞作!

この本を読む前、こんな作品紹介文も目にしないまま
ネタになるかな?どんな本かな?と
もうタイトルだけで惹かれてましたw

それと 「受賞作品」 を読んだ経験があまりになかったので
「選ばれる作品」 とはどんなものなのか、真面目さんなだけなのか
そういった添削気分で読みはじめてたんです

主人公は美術の専門学校に通う男の子
そして登場する39歳のユリはその美術学校の講師であり50歳くらいの男性と既婚
そんな2人が恋に落ちたのか落ちてないのか
あやふやなまま2人は近づき身体を交わす関係になり
・・・最終的には会えない存在となる

主人公の男の子は20歳年上の既婚したユリに
「本気にならないようにしよう」
そんな冷静さがところどころに見えて、自分を言い聞かせてるように見えました
本気になってツライのは自分だ と

本の作者が主人公を 「オレ」 と紹介文で言っているだけあって
本を見てもそのときどきにユリ自身がどう思っていたかの記述は見られません
だからこそ
主人公の心の揺れみたいなものが上手く描かれてたんだと思います

この本を読み進めて少したった頃
んー・・・なんでこんな本が選ばれるんだろう?
その辺の本と何も変わらない
私にはそう思えました


その日は残業がないのが分かっていて
母さんに 「今日は早く帰れるからね^^♪」 と言って家を出てきたんです
本を読みながら読むことにはまりながら
時計を気にしてました

そうするとちょっと内容に入り込めなくて読み逃してる部分もあったり
だけどこの本は本気で読んでみたい
そう思わせてくれた本だったので
時間を気にするのをやめ、 「母さんごめんね」 と心の中で思いながら本を読み続けました
|ω・。)買わかなったのは前回の記事参照シテネ


自分のことを気にかけているユリからのモデルの誘い
2人っきりのアトリエ(ユリ所有のアパート)
1回目モデルのときの 何もないの? という気持ちの駆け引き

既婚しているユリが自分から身体を求めにくい
・・・誘って欲しいの
何も言わなくてもそんな女性心理がすごくうかがえる

笑いがなくても、どこかに一緒に行くことがなくても
2人でいることに幸せを感じているというか自分の居場所を見つけて安心してるような
ういういしさみたいなものは感じられないけれど
何かお互いに求めてはいるんだけどどこかキョリを置かなきゃと思おうとしているそんな不安定な関係が恋愛の深さを語ってるように見えました

タイトルに書かれた内容に触れる部分も多く
リアル描写はされてないけど・・・って、ちょこっとはあったかな?気にならない程度デシタ(´・ω・`)
主人公の男の子が既婚のユリに対して自分のテクニックは満足させられるものなのか
そんな悩みや思いを抱えてるのも何回かあったりして
若い男の子が性に対し良く悩むものを上手く表現してるのがまたにくかったデスw


最後まで読み終えて
強い爆風的な衝撃はまったくなかったんだけど
心の奥にずぅううんって響くものがあって
・・・響くっていうのも変かな
知らないうちに何か息苦しさを感じてました

読み終えた満足感と
主人公が最後に神様に願った 「どんな平凡なセックスをしてても笑わないであげて」 という言葉
↑覚えてる範囲だから言葉はちょっと違うと思う
セックスのテクニックにこだわってた自分の愚かさみたいなものかな?
主人公の強い後悔みたいなものを感じました
こだわってないでもっと心の底から 「愛する」 という行為をすれば良かったな、してあげたかったな
そんな切ない気持ちの声が聞こえてきそうでした

家に帰る電車の中でも息苦しさは治まらなくて
駅に着いて自転車で冷たい風に当てられたときに早く帰ろうという気持ちになって
それでちょっと息苦しさから解放されてみたんですが
家について
リビングで母親がコタツに入ってTVを見てるその背中を見て
ご飯を食べずに待っててくれたのを見て
それもまた心に響くものがありました

いつも残業してるから家族と食事することってほとんどないんですよね
だから 「今日は残業ないから早く帰れるよ」 って言った私の言葉をすごく楽しみにしてくれてたのが
嬉しいと言うよりもホントごめんねと
言葉にはしなかったけれども、明るくただいまと振舞いながら
目頭熱くなりそうでしたw



この本は
たぶん、読んだ人によっては 「なんだこんなものか」 と言えるようなものだと思います
この本を評価してたブログをいくつか回ったけど
買ってはみたけど、価値なかったよ と言っている人もいます
だけど、今まで恋愛で苦労というか、ちょっと駆け引き的な不安を抱えてきた人にとっては
すごく心に響くものだと思います

『せつない』 ってこういうことかと
その言葉を知ってる私でさえ改めて感じるところが大きかったです

恋をしちゃいけない相手との恋愛で見えるものとか
何かこれを読んで自分の過去や現在に思い当たるものがある人には
読む価値ありだと思います
((φ(・ω・*)ふむふむ程度で終わるものか、心に重く沁みるものになるかは
この本だけじゃなくどの本にも言えることだと思うのですが
読者の経験
つまりは読んでくれたときの読者の頭の中の世界によって
作品というのはすごく価値のあるものやつまらないものになるんだなと感じました



ボクは拘ってたけど
どんなセックスだって一生懸命なんだよ

それでいいじゃないか



本のタイトルが言おうとしてるのはこんな感じかな
みんなは読んでどう感じるんだろうね
人によってすごく見え方の違う作品だと思いました

|ω・。)ちなみに作者さんは26歳の女性らしいデス
by sakura-smile | 2005-01-29 00:53 | その他
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